整備工場って儲かってる?
当然のことながら店によりけりなんですけど、一つの車検に対する儲けられる部分って思ってるより少ないです。
車検にかかる費用は法定費用+業者に払うお金なんですがざっくりまとめるとこんな感じです。
車検の費用にも詳しく書いてます。
重量 |
~0.5t |
0.5~1t |
1~1.5t |
1.5~2t |
2~2.5t |
軽自動車 |
---|---|---|---|---|---|---|
重量税 |
8,200円 |
16,400円 |
24,600円 |
32,800円 |
41,000円 |
6,600円 |
自賠責保険 |
25,830円(2年) |
25,070円 | ||||
印紙・証紙代 |
1,100~1,800円 |
1,100~ 1,400円 |
||||
合計 |
35,130~ 35,830円 |
43,330~ 44,030円 |
51,530~ 52,230円 |
59,730~ 60,430円 |
67,930~ 68,630円 |
32,770~ 33,070円 |
法定費用はこのようになっていて、ほかの業者に払うお金はこんな感じです。
【整備工場】
25,000~80,000円
【ディーラー】
40,000~100,000円
【車検専門店フランチャイズ】
20,000~60,000円
【ガソリンスタンド・カー用品店】
20,000~60,000円
【車検代行】
10,000円くらい
車検によって儲けを出す部分というのは限られていて
- 代行料
- 工賃
- 部品の定価よりも安く仕入れた分の差額
ここからうまく利益を出していくようになります。
必要なものとして発生する料金は儲けに入れません。たとえば何日か車を工場に入れておかなかればならないときの場所代だったり、持ち込み料(これは部品の最低限の差額分をもらってる)など。
儲けがあるということは削れてしまう部分でもあるということ
代行料というのは整備の部分ではなく、整備が終わった車を車検場まで持って行って代わりに車検を受けることに支払われる料金です。
この代金が主な儲けの部分とも言えます。その日の日給にも当たるイメージです。
削れる部分(安くできる)もここからがほとんどです。
たとえば車検紹介サイトなどで車検基本料と言われている料金は代行料のことで、よく安い金額で宣伝されていますが、イコール代行料を削っている(削られている)という事です。
車検のフランチャイズなんかはサイトなどに店を載せたりもできますが、店側が支払うものもかなり高額です。
これも会社によりますが、加盟するのに最初に50~60万かかり、そこから月々登録料で5~万かかったりします。
そこから加盟しても車検激安!などの宣伝文句で売られるのでそこの基準に合わせていかなければなりません。
サイトに自分のお店が大々的に紹介されるということはまずあり.ませんから、お客さんが地域や料金などの条件にあう検索をかけた時に引っかかれば発見してもらえて、という小規模な露出度から利益を出していくのは小さい工場などではなかなか厳しいでしょう。
しかし従業員が10人以上もいるような大きな工場などでは有益でもあるみたいです。
安くても仕事が入ってくればその分従業員が暇するのを防げたりもできますしね。
※店や場合によっては全く違うところもあると思います。
ある程度の値段のボーダーラインみたいなものが決められている
工賃は整備をすることに対して支払われる手間賃です。
これも店や業者によって値段にバラつきがありますし、簡単な作業なら値段も安く、難しい作業であればもちろん値段は高くなります。
作業による値段の変動は言ってしまえば上限は決められないところはありますが、店によっての値段はある程度上限があります。
組合にだいたいこれくらいの値段設定でやってくださいね、とガイドラインが決められているので、めちゃくちゃ高くするということを防いでいます。
代行料と同じで工賃は値段をお店側が設定できるので、どこかを安くしてしまっている分を工賃で少し補う。などのやり方が可能になります。
たとえば、納車引取りというサービスがあります。
民間の整備工場では基本的にお客さんに車を工場まで持ってきてもらって、終わったら車を取りに工場まで来てもらう。
というのが普通なのですが、お客さんのところまで車を引き取りに行って車を納車も行う。
なんて整備工場もあります。
なかなか手間のかかることですのでもちろん普通に料金を請求できますし、請求するとなると2~3万は請求できる仕事になります。
でもそれを無料で行っている整備工場などもあるそうです。
そういう工場はかなり無理をしているのかというと、わりとそういうことでもなく、工賃などで回収してたりします。(無理してるところもあるかも。)
部品の定価との差額によって出る利益
部品の定価との差額による利益は基本的には微々たるものです。
悪い車検業者っているの?でも書きましたが、たとえば5,000円の定価の部品を4,000円で仕入れたとして、それを6,000円で売ることは悪い人でもめったにやらないことです。
理由は簡単で、バレるからです。
素人でもちょっと調べれば部品の値段くらい簡単に分かります。
「ちょっとおかしいな・・・」とか「高すぎる気がする・・・」と思い調べられると一発でバレて評判は一気に悪くなってしまいます。
そこまでの確率の高いリスクを負ってまでやるほどの旨味はない。ということです。
なので5,000円の定価の部品を4,000円で仕入れたとして、それは5,000円として売る(使用する)ので1,000円の利益を得るのが普通です。
整備工場にとって古い車というのはやり甲斐がある
整備工場によってはやはり古い車が好きな人が多く、古い部品を集めているマニアみたいな人もいます。
そんな工場はもう部品だらけです。
もちろん仕事で珍しい部品を使用する車などにはとても重宝されますし、その部品だけを譲ってくださいといって訪ねてくる人もいます。
それをメインの商売としてはまずやらないと思いますが、あくまで頼まれればといった感じです。
割ともう売ってない部品等は高く売れるのでけっこうストックしている工場もあるのではないでしょうか。
それでも今、その工場にはない部品でないと整備できない車が来たとすれば取り寄せします。
割と新しい部品ならばすぐに手に入ることが多いのですが、けっこう古い部品等になると一週間くらいかかってしまいます。
その場合は一度部品が揃うまで持って帰っていただいたりしますが。
しかし、もはやその部品自体が売ってないものも中にはあります。
それはどうするのかというと一から作ります。
現物さえあれば「これと同じものを作って」といって専門の工場などで削り出して作れます。
どんな部品でも作れないものはありません。
しかしやはりそういったものはかなり高額になってきます。
普通の部品ならば大量生産されているので安く手に入れることができますが、もう作られていない部品で新しくその車の部分だけを作るということになると高くなるのも当然になります。
それでもこの車じゃないと!という人がいるからこういう仕事もある訳ですが。
やはりそういった仕事は整備工場にとってはやりがいのある仕事でもあります。
部品集めも半分趣味に近い人もいて、知らない人からするとガラクタみたいなボロボロなものばっかり。もちろん自分の車などでも使用するでしょう。
知り合いの整備工場で以前、一台入ってきた車がありました。
調べるともうエンジンがダメということで、エンジン自体を探していたのですが。
なんとエンジンをヤフーオークションで落としました。そしてそのエンジンのいいところを移植して直したと。
これには相当腕に自信がなければできないことですし、その車に1、2週間くらいはつきっきりにならないといけないというリスクも背負いますのでなかなかできることではありません。
しかしそれだけの大仕事でしたのでそのひとつの仕事で100万くらいになったらしいです。
ちなみにヤフオクで落としたエンジンは10万くらいだったみたいで、相当安く仕入れています。というのも本当にボロボロのエンジンだったらしく普通の人からするとただの鉄屑みたいなものだったみたいです。
そういう部品も捨てるだけでけっこうお金を取られたりするので、逆にヤフーオークションなどで売れれば得です。
腕のある職人はそういう部品でも使えるところをうまく使って上がりを出す技術があります。
そういった仕事にやりがいがあったりもするとのことです。
それでもその話を聞いたときは2週間近くもつきっきりで100万は良心的だと思いました。
ちなみにそのエンジンの余った部分はしっかりヤフオクで売ったみたいです。
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